004|こころのしくみとは? 行動の始まりから認知までを徹底解説

「こころ」とは、私たちの行動や感情の背景にある、非常に興味深いものです。このページでは、人がどのように行動を起こし、外界を認識していくのか、その基本的なしくみを段階的に解説していきます。

1. 行動の源:原始反射と精神的行動

私たちが何か行動を起こすとき、そのきっかけは様々です。生まれたばかりの赤ちゃんが見せる、手のひらに触れたときに握り返す「把握反射」や、口に触れたものを吸う「吸啜反射」といった行動は、原始反射と呼ばれます。これらは、私たちが生き残るために備わっている本能的な反応であり、特に精神的な働きを必要としません。

一方、私たちが日常的に行う多くの行動は、精神的行動と呼ばれるものです。これは、外界や自分の体の状態を感じ取り、それに応じて起こる行動です。例えば、熱いものに触れて手を引っ込めたり、楽しい音楽を聴いて心が弾んだりするのも精神的行動の一種です。

2. 精神的行動のプロセス:感覚・知覚・認知

精神的行動は、以下の3つの段階を経て起こると考えられます。

外からの刺激 → 五感(感覚) → 脳みそで認識!(知覚) → 感情とか考えがプラス!(認知) → 行動

感覚: まず、私たちは五感(見る・聞く・かぐ・味わう・触れる)を通して、外界からの刺激を受け取ります。これは、情報処理の最初のステップです。例えば、生クリームの甘い香りを感じるなどが感覚にあたります。
知覚: 次に、感覚を通して得られた情報をもとに、「これはケーキだ」と認識します。これは、過去の経験や知識に基づいて、受け取った情報を整理し、意味づけを行うプロセスです。知覚は、単なる感覚の集まりではなく、私たちの能動的な解釈が加わった意識的な体験と言えます。
認知: そして、知覚によって意味づけられた情報に対して、さらに心の働きが加わります。「この赤い花はきれいだな」「この鳥のさえずりは心地よいな」と感じたり、過去の記憶と照らし合わせて「この鳥は春になるといつもやってくるな」と考えたりするのです。認知は、判断、推論、感情、欲求など、より複雑な心的処理を含む、行動の最終的な動機付けとなるものです。


私たちの行動は、単純な反射から、感覚、知覚、そして認知といった複雑な心の働きを経て生まれています。外界からの刺激を受け取り、それを認識し、さらに意味づけを行うことで、私たちは環境に適応し、様々な行動をとることができるのです。こころのしくりを理解することは、自分自身や他者の行動をより深く理解する第一歩となるでしょう。